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経営におけるマネジメントの概念は、経営学者のドラッカーによって生み出されました。企業の発展に必要なため、経営者や管理職の方はこの能力を身につけなければなりません。
本記事は概念をわかりやすく解説した上で、マネジメントに必要な4つの能力を解説します。
目次
そもそもマネジメントとは何か |
本来マネジメント(management)は、「経営」や「管理」という意味です。ここから派生し、ビジネスの現場において経営管理や組織運営という意味で使われるようになりました。
ビジネスにおけるマネジメントを理解するためには、まずアメリカの経営学者ピーター・ファーディナンド・ドラッカーを知ることが大切です。ドラッカーが生み出したマネジメントの意味を説明した上で、マネジメントが必要な理由や類似する用語との違いを解説します。
自身の著書でドラッカーが記したところによると、マネジメントとは「組織に成果を上げさせること」です。また、企業をはじめとするあらゆる組織が社会の機関であり、それら組織の中核がマネジメントというようにも表現しています。
さらに、ドラッカーはマネジメントが果たす役割として以下の3点を挙げています。
出典:PF ドラッカー『マネジメント[エッセンシャル版]』 ダイヤモンド社
組織の持続的な発展に不可欠であることが、マネジメントが必要とされる理由です。また、マネジメントによって組織におけるヒト・モノ・カネ・情報などの経営資源を効果的に活用すれば、組織に成果を上げさせ、目標を達成できます。
組織は社会全体にも良い影響を与えなければなりません。マネジメントにより、社会貢献を意識するようになる点もポイントです。
マネジメントと似た場面で用いられる言葉に、リーダーシップがあります。リーダーシップ(leadership)は、指導や統率力という意味です。
ビジネスの場面で、マネジメントがあらかじめ定められた目標に従って組織を運営する手段を示すのに対し、リーダーシップはより具体的な方向性を示します。マネジメント能力が主に管理職に求められる一方で、リーダーシップ能力は管理職以外の人材にも必要な能力といえるでしょう。
マネジメントとリーダーシップのより詳しい説明については、以下の記事も参考にしてください。
マネジメントとリーダーシップの違いは?必要なスキルと磨き方を解説
元々マネージャー(manager)とは、支配人や経営者、支店長など管理職の立場にある人を指す言葉です。そこから、ドラッカーはマネージャーを「組織の成果に責任を持つ者」と定義しています。
一方、リーダー(leader)とは、先導者や指導者といった意味を持つ言葉です。リーダーシップという言葉からもわかるように、組織が目指すべき方向性や具体的な目標を示す人のことをリーダーと表現することもあります。
マネージャーには権限があるのに対し、リーダーは権限がなくてもなれる点が違いのひとつです。また、マネージャーは短期的・長期的双方の視野から方向性を示さなければならないのに対し、リーダーは主に長期的なビジョンでビジネスを進めていきます。
役割ごとに3つのマネジメントがある |
マネジメントは、役割や役職によって以下3つの階層に分類されます。
トップマネジメントは経営陣(最高経営者層)、ロワーマネジメントは監督者層(下級管理者層)、ミドルマネジメントは中間管理者層が対象です。各マネジメントの特徴や、具体的な役割を解説します。
トップマネジメントとは、組織のトップ、つまり最高経営陣によるマネジメントのことです。最高経営者層と表現されることもあります。トップマネジメントに該当する主な役職は、企業の取締役会を構成する役員(会長・社長・常務・専務など)や執行役員です。
トップマネジメントには、組織全体の分析能力が求められます。主な役割は以下のとおりです。
最終的な意思決定を担うため、強力なリーダーシップが求められる層といえるでしょう。
ロワーマネジメントとは、下位クラスの管理者によるマネジメントです。監督者層、下級管理者層とも表現されます。ロワーマネジメントに該当する主な役職は、係長や主任、現場のリーダーなどです。
ロワーマネジメントでは、管理者が一般社員に対して具体的な指示を出します。指示にとどまらず、本人も一般社員と連携して現場で活躍することを求められる点が他のマネジメントと異なる点です。トップマネジメントが描いているビジョンを実際に具現化するために欠かせないマネジメントといえるでしょう。
現場で問題が発生した場合、次に説明するミドルマネジメントに速やかに報告しなければなりません。
ミドルマネジメントとは、トップマネジメントとロワーマネジメントの中間に位置するマネジメントです。中間管理者層とも表現されます。
該当する主な役職は、支店長・工場長・本部長・部長・課長などです。ロワーマネジメントで紹介した係長をミドルマネジメントに分類することもできます。
ミドルマネジメントの主な役割は、現状報告や計画立案などによりトップマネジメントをサポートすることや、ロワーマネジメントの指揮管理や育成をすることです。いわば、最高経営陣と現場の橋渡し役といえるでしょう。
また、プレイングマネージャーとしての役割を期待されることもあります。一方で、経営に対する責任を負わない点も特徴のひとつです。
マネジメントの主な業務内容 |
マネジメントには、評価・分析・統合・計画・調整・組織化などさまざまな要素が含まれており、関連する業務は多岐にわたります。特に、企業のマネジメントとして重要な業務として、以下の4点が挙げられます。
各業務の詳しい内容を確認していきましょう。
明確な目標があれば、従業員(部下)が実力を発揮しやすくなります。目標があることで、無駄な労力やコストをかけないようにできるでしょう。
そこで、マネジメントではあらかじめ目標やゴールを設定し、どのようにそれを達成するかを決めることが大切です。また、決めて終わりではなく、従業員が目標や達成方法を理解し、社内全体に広まるようにしなければなりません。
従業員の理解を得られるように、目標を設定する際には「何を目標にするのか(What)」だけでなく、「いつ達成するのか(When)」「なぜその目標を設定するのか(Why)」という点も意識しておきましょう。
設定した目標を達成するためには、どのような仕事が必要かを分析し、分類しておかなければなりません。その上で仕事を活動や作業に細分化し、各タスクに応じた組織づくりをはじめます(組織化)。このタイミングで、マネジメントする人や現場の人選もおこないます。
組織化を考えるにあたり、意識しておきたいのがマッキンゼー・アンド・カンパニー社の提唱する「組織の7S」という概念です。組織の7Sとは、組織がうまく機能しているかを判断するための以下7つの要素を指します。
部下の意欲を引き出し、モチベーションを維持することもマネジメントにおいて欠かせません。動機付けする際には、内発的動機付けと外発的動機付けの両面から考えることがポイントです。
内発的動機付けとは、物事に対する興味や関心から行動を起こし達成感を得させるものを指します。各従業員が自身の興味・関心を把握するため面談の機会を設け、高い意欲を持って取り組めるように仕事を振り分けることが大切です。
外発的動機付けとは、外部からの評価がきっかけとなり行動を起こすことを指します。給与・賞与のアップや昇進などが具体例です。
動機付けを図っているにもかかわらず部下のやる気が見られない場合は、うまく作用していない可能性があるため、対策を見直さなければなりません。
人事考課、1on1面談、業務施策の振り返りなどの場面で、定期的に部下の仕事内容や実績に対して評価・フィードバックをおこないます。フィードバックを実施することで、人材育成や従業員のモチベーション・業務能力向上、組織の目標達成につながる点がメリットです。
フィードバックには、前向きな言葉を使うことで部下のモチベーションを上げるポジティブフィードバックと、あえて否定的な言葉を使うことで部下に状況打開策を考えさせるネガティブフィードバックがあります。またフィードバックでは、個々の能力を加味して適切な表現で説明することが重要です。
必要な4つの能力とその伸ばし方 |
マネジメントの能力を有しない上司の下で業務を進めると、部下の業務効率やモチベーションが下がったり、問題が発生したりするおそれがあります。マネジメントをする上で必要な能力は、主に以下4つです。
ここでは、各能力の概要や、実際に伸ばすためにどのようなことが必要なのかを簡単に解説していきます。必要なスキルを伸ばす方法をさらに詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
マネジメントする際には、部下に目標達成方法を理解してもらうためのコミュニケーションスキルが求められます。コミュニケーションスキルとは、対人間における情報共有や意思疎通の能力のことです。
コミュニケーションスキルは、さらに以下4つの能力に分解できます。
コミュニケーションスキルを高めるためには、まず部下が話しかけやすい雰囲気を作ることが大切です。部下に明るく挨拶する、気軽に話しかけるなど機嫌の良いふるまいを心がけましょう。
また一方が話し過ぎると、十分なコミュニケーションを取れません。自分の情報を開示するだけでなく、相手からの情報も聞き出せるような会話を心がけましょう。
さらに、職場内で従業員同士が上手にコミュニケーションを取れているのかを確認することも必要です。
どうすれば各従業員が最大限のパフォーマンスを発揮できる状況を作り出せるのかを把握するために、アセスメントスキルも必要です。アセスメントスキルとは、各従業員のスキルや勤務状況、育成のポイントなどを的確に把握する能力を指します。
アセスメントスキルを伸ばすためには、毎日従業員の行動に関心を持ち、どんな行動を取っているのかを知ることがポイントです。アセスメントスキルが身につけば、労働時間が長い従業員には無駄な作業が多かったり、残業せずすぐ帰宅する社員には家庭の事情があったりなど、データだけでは把握できないことに気づけるでしょう。
組織に成果を上げさせるためには、管理スキルも必要です。管理スキルとは、定めた目標に向けた進捗状況を管理する能力を指します。
管理スキルは、さらに以下3つの能力に細分化可能です。
管理スキルを身につけるためには、業務の質が上がっているか、組織は適切に機能しているか、予定外の事態が発生していないかなどを日々意識することが大切です。また、より効率よく進捗できるように、部下へのこまめなフィードバックを怠らないようにしましょう。
立場上、重要な判断を下さなければならない場面に出くわすため、決断力(意思決定力)や業務遂行スキルが求められます。重要な場面で決断力に欠ける上司の下では、部下はモチベーションを維持して働けないでしょう。
決断力を身につけるためには、まず決断するための判断指標を持っていなければなりません。組織の基本方針を十分に把握し、新聞・書籍やネットを通じて幅広い知識を蓄えておくことがポイントです。
また、物事を論理的にとらえるロジカルシンキングを鍛えておけば、決断する際の支えになります。
さまざまなマネジメントの特徴を理解しよう |
マネジメントには、目的や手法によってさまざまな種類が存在します。主なマネジメントは以下の9つです。
上記9つのマネジメントを人材管理、組織運営、メンタルヘルスの3つの業務別に分類し、解説します。
人材管理マネジメントの代表例として、「タレントマネジメント」「パフォーマンスマネジメント」「モチベーションマネジメント」が挙げられます。
タレントマネジメントとは、組織内の優秀な人材を見つけ、その人物に適した人材配置をおこなうことで最大限のパフォーマンスを発揮させることです。タレマネ、TMと表現されることもあります。
パフォーマンスマネジメントは、社員の能力やモチベーションを引き出し、目標達成につなげることです。モチベーションマネジメントでは、従業員に動機付けをおこない、モチベーションを維持しながら業務に取り組めるようにします。
なお、マネジメントで自社の営業チームの業績を上げたいという方は、以下の記事を参考にしてください。
営業チームのマネジメントとは?役割と業務内容、必要なスキルを解説
組織運営マネジメントの代表例が、「チームマネジメント」「ナレッジマネジメント」「プロジェクトマネジメント」です。
チームマネジメントでは、生産性を高めて目標を達成するためにチームの団結力を高めたり、メンバーの育成に取り組んだりします。ナレッジマネジメントとは、各従業員が得たスキルや知識を組織全体で共有し、パフォーマンス向上につなげることです。
プロジェクトマネジメントは、プロジェクト成功を目指して目標や計画立案、進捗管理を進めることです。『monday.com』は、プロジェクトマネジメントツールでアワードを受賞しています。プロジェクトマネジメントを進めたい方は、まず無料トライアルからお試しください。
また、組織のメンバーが自分の力を発揮できるように管理する手法として、マネジメントコントロールがあります。詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
メンタルヘルスマネジメントの代表例が、「アンガーマネジメント」「ストレスマネジメント」「メンタルヘルスマネジメント」です。
アンガーマネジメントとは、コミュニケーションを適切に取れるように怒りの感情をコントロールすることを指します。ストレスマネジメントは、定期的に従業員のストレスをチェックする「ストレステスト」などを通じて職場内のストレスをコントロールすることです。
メンタルヘルスマネジメントでは、心の不調を理由とした従業員の休職・退職への対策を講じます。
まとめ |
マネジメントは本来経営や管理を意味する言葉ですが、「組織に成果を上げさせるもの」として使用されることもあります。持続的に発展させていくためにも、企業においてマネジメントが重要です。
ただし、経営陣や管理職にコミュニケーションスキルやアセスメントスキルなどの能力が欠けていれば十分なマネジメントができません。そのため、経営陣や監督者層、中間管理層などは、マネジメントスキルを向上させることが大切です。各種ツールを活用すれば、より効果的にマネジメントできます。
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