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プロジェクトの振り返りは、今後に向けた課題を洗い出せる大切な機会です。振り返りを効果的におこなうために使えるフレームワークは複数あります。この記事では、プロジェクトを振り返る目的や、振り返るためのおすすめの手法であるKPT法、実施する際に注意するポイントまで紹介します。
目次
プロジェクトの振り返りとは、プロジェクトチームの今までの経緯を思い返し、現状を客観的に把握したうえで良かった点や課題点を見つけ、改善していくことを指します。Keep、Problem、Tryの頭文字を取ったKPT(ケプト)の手法を使い、効率良く質の高い振り返りが可能です。
そもそもプロジェクトとはどのようなものなのか、プロジェクト名の決め方について詳しく知りたい方は以下をご覧ください。
プロジェクトとは目標達成のための業務│定義や成功のポイントを解説
プロジェクト名の決め方が成否を左右する?命名の基準や方法を解説
プロジェクトを振り返る目的は、小さな課題や良かった点を可視化していくことです。客観的に状況を把握できるようになり、次の機会にさらに良い結果を導びき出せるように、振り返りが重要になるのです。プロジェクトの振り返りによって、大きな問題が起きてしまう前に改善すべき点を理解し、適切に対応しましょう。
なお、プロジェクト全体の管理をおこなうプロジェクトマネージャについて詳しく知りたい方は、以下の記事で確認してみましょう。
プロジェクトマネージャとは?仕事内容や必要スキル、関連する資格
プロジェクトの振り返りとはいっても、実施するタイミングは最後だけに限ったものではありません。プロジェクトを運営している期間は、定期的に振り返りを実施するようにしましょう。短期的なスパンで何度も振り返ることで、以降のプロジェクト運営において効果的な改善をおこなえます。
なお、プロジェクトを立ち上げるタイミングでプロジェクト憲章や体制図を作成します。プロジェクト憲章や体制図の詳細は、以下を参考にしてください。
プロジェクト憲章とはプロジェクトの企画書のこと。必要性や記載事項を解説
プロジェクトの振り返りをする際には、活用すると良いさまざまな手法があります。以下は、効果的な振り返りにするために用いられているフレームワークの例です。
・KPT
・経験学習モデル
・Start – Stop – Continue – Change
・ジョハリの窓
・ダブルループ学習
・PDCA
・KPTA
・YWT
・PDS
・LAMDA
・4行日記など
このうち汎用性が高くて活用しやすいKPTについては、あとで詳しくご紹介します。フレームワークを用いると、考える際の基準ができて明確に考えられるようになったり、漏れを少なくできたりするため、上手に活用していきましょう。
プロジェクトの振り返りにおすすめのKPT法 |
先述のとおり、プロジェクトの振り返りに利用できるフレームワークにはたくさんの種類があります。そのなかから、おすすめの手法であるKPT法について詳しくご紹介します。KPT方の手順は、以下のとおりです。
手順1:Keep(継続したいこと)
手順2:Problem(改善したいこと)
手順3:Try(改善して挑戦すること)
これらの手順やKPT法を効果的におこなうポイントを詳しくチェックし、プロジェクトの振り返りに活用できるようになりましょう。
KPT法の1つ目の手順は「Keep」です。Keepは「継続したいこと」を意味しています。プロジェクトを進めているなかで良かったこと、これからも継続したいと思えることを振り返ります。
業務のなかでうまくいったこと、工夫したポイント、顧客から評価してもらえた点などを思い返しましょう。KPT法では最初に良かったことを思い返すことで、雰囲気が悪くならずに振り返りが可能です。
実際に振り返りをしてみると、Keepとして挙げられた件でも実はProblemにあたる案件であったというケースもあります。問題が隠されていないかを確認しながら進めましょう。
2つ目の手順は「Problem」です。KPT法でいうProblemとは、「問題点」や「改善したいこと」を意味します。このとき、客観的な事実に着目した意見を集めることが重要です。
プロジェクトの振り返りをおこなうプロセスのなかでも、この原因や課題を洗い出す精度がもっとも大切だといわれているため、しっかりと考えましょう。
KPT法の3つ目の手順は「Try」です。Tryとは「改善策」や「挑戦すること」を指します。問題点に対して全員で議論をしながら、解決させるにはどのようなことをすればいいのかを考えていきましょう。Tryにおいては、具体性のない精神論のような内容ではなく、具体的にやるべきことを書き出すようにしてください。
KPT法を効果的におこなうポイントは、以下のとおりです。
・主観的な話ではなく、客観的な分析をおこなうこと
・気を遣うことなく、メンバー全員が忌憚のないさなざまな意見を出せる雰囲気にすること
・問題が隠れていないか、見落としがないようにしっかりと分析すること
・改善点は「頑張ろう」などのあいまいな表現ではなく、わかりやすくて実現できる内容にすること
プロジェクトの振り返りを実施する方法 |
効率的にプロジェクトの振り返りが実施できるおすすめの方法もご紹介します。プロジェクトの振り返りは、ルールがないとただの批判や責任を追及するだけの場になってしまいかねません。プロジェクトの振り返りをおこなう手順や、その際にできる限り効果的な振り返りになるように、守るべきルールについてそれぞれ詳しくチェックしていきましょう。
手順1のKeepと手順2のProblemは、はじめに5分などの時間を決めたうえで一人ひとりKeepやProblemを付箋に書き出していくやり方がおすすめです。ボードに付箋を貼りながら発表していきましょう。
その後手順3のTryをおこない、改善ポイントを見つけます。KPTの3つの要素ができたとしても、これで終わりではありません。次にKPT法をおこなう際、今回のTryがその後どの程度まで改善できたかをチェックして、さらに対策を講じていきましょう。
振り返りをおこなうためのルールは、以下のとおりです。
・課題や原因を話しているとき、人に対する責任の追及をしないこと
・問題点として挙げた内容に自分が関わっていたとしても、自己弁護はしなくて良いこと
・真摯に向き合って積極的に参加すること
・ほかのメンバーの話をさえぎらないこと
・自分ばかりが話しすぎないこと
効果的な振り返りにするための3つの注意点 |
プロジェクトの振り返りを効果的なものにするための3つの注意点は、以下のとおりです。
・個人の責任を追及しないこと
・次に繋がる話を心がけること
・改善できそうな点は必ず活かすこと
ただの反省会になってしまったり、今までの結果を確認し合っただけで終わってしまったりしないようにする必要があります。これら3つの注意点をチェックしていきましょう。
効果的な振り返りにする1つ目の注意点は、個人の責任を追及しないことです。プロジェクトの振り返りをおこなうのは、問題点や改善したいことなどを理解して今後にいかすためであって、誰かの責任を問うためではありません。
「罪を憎んで人を憎まず」という言葉もあるように、人の責任ではなく原因を考えるようにしましょう。「誰か対誰か」ではなく、問題に対して一丸となって対応することが重要です。
2つ目の注意点は、次に繋がる話を心がけることです。次に繋げていけなければ、ただ単にこれまでのプロジェクトの結果を確認するだけで終わってしまい、なにも良くなっていきません。できるだけ今後の改善に繋がるような話をしましょう。
しかし、「絶対に原因と改善点を見つけなくては」と考える必要はありません。原因となるものが判断しづらい問題や、プロジェクトで求めるものに合わせるために容認するべき問題もあるでしょう。たとえば、プロジェクトの成果物の質を良いものにするために、開発する速度を少し下げたことなどが挙げられます。
効果的な振り返りにする3つ目の注意点は、改善できそうな点は必ず活かすことです。問題点や改善方法の案ばかりをいろいろと出していても、実際に改善に繋げなければ意味がありません。
プロジェクトを振り返ったときに見つけた実行できそうな改善方法については積極的に取り組み、より良いプロジェクト運営をしていきましょう。
まとめ |
プロジェクトの振り返りは、トラブルを未然に防いだり、より良い成果をあげたりするために重要なポイントです。プロジェクトの振り返りをする際には、KPT法などのフレームワークを使っておこなうと、同一の基準で振り返れるようになるためおすすめです。効果的な振り返りにするための3つの注意点も確認し、改善に繋げられる振り返りができるようになりましょう。
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