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大久保純加
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2022年09月28日

人員配置でパフォーマンスが向上?手順やポイントを解説

 

人員不足がさけばれる昨今において、生産性向上の実現には人員配置が鍵を握っています。適切な人員配置ができれば、従業員のパフォーマンスを最大限に発揮させることが可能です。本記事では、適切な人員配置をする方法やポイントについて解説します。

 


目次

  1. 人員配置とは
  2. 人員配置の目的
  3. 人員配置のタイミング
    1. 採用時
    2. 組織体制を変更するとき
    3. 解雇やリストラ
  4. 最適な人員配置にする手順
         1.目標を明確にする
         2.現状把握
         3.目標とのギャップを分析する
         4.複数の人員配置パターンをシミュレーションする
         5.人員配置の計画と実施
  5. 最適な人員配置にするための5つのポイント
         1.人員配置の変更だけでは売上が上がらないことを理解する
         2.頻繁に人員配置をしてもスキルが上がらないことを理解する
         3.従業員一人ひとりの成績が見えるようにする
         4.人員配置変更の効果測定を実施する
         5.ツールを導入する
  6. まとめ

 

 

人員配置とは

 

人員配置とは、従業員の能力や適性に合わせて配属先や職務を決定することです。人数や組み合わせも考慮して配置することで、業務効率化を図るだけでなく、従業員がパフォーマンスを発揮できる環境を構築できます。

 

働きやすい職場環境を構築できれば、トラブル発生時や経営環境の変化にも対応できるでしょう。配置先の決定に従業員からの要望も取り入れることで、エンゲージメント向上にもつながります。

 

なお、働きやすい職場環境の構築には『monday.com』の利用がおすすめです。monday.comはプロジェクトマネジメントツールでアワードを受賞しています。詳細はこちらの記事をご覧ください。

 

 

 

 

 

人員配置の目的

 

人員配置の目的は、経営戦略や事業計画に沿って組織の目標を達成することです。忘れてはならないことは、コストを抑えることです。コストを抑えるために、従業員の能力や適性を考慮したうえで配置を決める必要があります。

 

リーダーシップを持っている人材を新規事業に配置したり、専門的な能力を持った人材を業務負荷が高い部署に配置したりすることで、効率的に業務を進められます。

 

人材育成も人員配置の目的のひとつです。人材ごとの将来像に合わせて、経験が必要な部署に配置することで、活躍の幅を広げるといったケースもあります。

 

また、従業員の事情を考慮することも人員配置の目的です。育児や介護により休業や時短勤務をする従業員が出た部署に対する応援や、ハラスメントの発生を理由に配置転換するケースもあります。

 

 

人員配置のタイミング

 

人員配置のタイミングには、採用時や組織体制の変更時が挙げられます。新卒採用と中途採用では、人員配置のアプローチが異なります。組織体制の変更時に人員配置をする場合、従業員の能力や適性だけでなく、組み合わせも考慮することが大切です。

 

また、解雇やリストラをする場合は人員配置を考えるだけでなく、残った従業員に対する配慮も必要です。ここでは人員配置のタイミングと、その際の注意点について解説します。

 

1.採用時

人員配置のタイミングとして、採用時が挙げられます。新卒採用と中途採用では人員配置の考え方が異なります

 

新卒採用であれば、組織内の年齢バランスの調整や人材育成が目的です。一般的に総合職として採用したケースでは、研修で適性をみたうえで配属先を決定します。

 

一方、中途採用をする目的は、欠員補充や業務拡大による増員です。そのため、募集段階で担当する業務や配属先が決まっています。人材の適性についても、選考時に判断します。

 

 

2.組織体制を変更するとき

組織体制の変更時も、人員配置のタイミングです。組織体制の変更は経営戦略に合わせて実施します。組織変更に合わせて、役職を変更するケースもあります。昇進や昇格といった前向きな役職変更は、従業員のモチベーションアップにつながるでしょう。

 

組織体制の変更により人員配置をする場合、組み合わせによってパフォーマンスに影響を及ぼします。従業員間の組み合わせが良ければ、従業員の潜在能力を引き出せるでしょう。

 

しかし、組み合わせが悪い場合、人間関係や職場環境の悪化といった問題からパフォーマンスが落ちるケースがあります。能力や適性だけでなく、従業員間の相性も見極めたうえで人員配置することが大切です。

 

異動により就業場所が変わる場合は、生活環境も変化するため、従業員の家庭事情も考慮したうえで判断する必要があります。近年では、テレワークが浸透したこともあり、転勤がない異動も増えてきているようです。


3.解雇やリストラ

 

解雇やリストラも、人員配置を実施するタイミングです。業績の悪化による事業縮小を理由に、希望退職者の募集や退職勧奨をするケースがあります。

 

パート社員や派遣社員といった、有期雇用者の契約を更新しない場合もあるでしょう。不祥事を理由に、解雇を言い渡すケースもあります。

 

この場合、配置が換わるだけでなく人員自体が減るため、残った従業員の負担増加は避けられません。モチベーションの低下や、退職が連鎖する可能性もあります。


関係する従業員に解雇やリストラになった経緯や背景を説明することで、会社への不満が膨れ上がらないようにする配慮が必要です

 

 

最適な人員配置にする手順

 

 

最適な人員配置を考えるためには、基本的な手順に沿って計画を立てることが大切です。いきなり計画を作成するのではなく、目標設定や現状把握をしたうえで進めます。次の手順に沿って人員配置を実施しましょう。

 

  1. 目標を明確にする
  2. 現状把握
  3. 目標とのギャップを分析する
  4. 複数の人員配置パターンをシミュレーションする
  5. 人員配置の計画と実施

1.目標を明確にする

人員配置を考える前に必要なのは、目標を明確にすることです。目標が明確でなければ、人員配置はその場限りのものになります。目標に対して適切な人員配置をすることで、効率化や人材育成につながるでしょう。


このときに大切なのは、企業理念や方針を確認するとともに、具体的な数値目標を立てることです。具体的な数値目標があることで効果測定ができるため、今後の人員配置に活かせます。

2.現状把握

目標を明確にしたら、現状把握をします。従業員ごとの能力や経験などをレビューするだけでなく、現在の人員配置での相性も確認します。相性を把握することで、適切な組み合わせでの人員配置を考えることが可能です。

 

データ化しておけば、今後の人員配置を考える際に役立ちます。従業員ごとに、以下の項目をデータ化しておくとよいでしょう。

 

  • 過去の人事考課
  • 勤怠状況
  • スキルマップ
  • 保有資格
  • 受講した研修履歴

3.目標とのギャップを分析する

現状把握の次は、目標とのギャップを分析します。目標達成に必要な能力や経験を定義し、適した人材をピックアップします。

 

適した人材が見つかれば良いですが、そう簡単に適した人材は見つかりません。候補となる人材と定義した人材との間には、ギャップがあることでしょう。

 

そこで、定義した人材と候補者との能力を比較し、何が不足しているかを明確にします。明確にした要件に対し、どう対策を取るのかが課題になるでしょう。

 

課題解決の方法のひとつが人材育成です。人材育成は、トップダウンで実施しても効果は薄く、本人のモチベーションが必要不可欠です。そのため、候補者に対しヒアリングを実施し、意図の説明と意思確認を行います。

 

ヒアリングの内容が候補者のモチベーションに影響するため、説明方法や話し方の準備を整えたうえでヒアリングを実施しましょう。

4.複数の人員配置パターンをシミュレーションする

ギャップ分析とヒアリングの結果をもとに、複数の人員配置パターンをシミュレーションします。年齢のバランスや相性も考慮しながら、どの人材をどう配置すれば生産性が高いチームになるのかを考えながらシミュレーションしましょう。

 

人員配置図を作成しながらシミュレーションすることで、作成したパターンを比較できます。人員配置図には、以下の情報を記載します。

  • 名前
  • 所属部署
  • 役職
  • 担当業務
  • 能力
  • 職位
  • 雇用形態
  • 人間関係

 

上記の情報を記載することで、判断基準となる項目を比較しながらシミュレーションできます。

5.人員配置の計画と実施

シミュレーションした人員配置パターンの中から、適切と思われるパターンを選び、人員配置計画を作成しましょう。人員配置計画には、目標や定義した人物像とのギャップとその対策を記載します

 

ただし、ここで作成した人員配置計画は完ぺきではありません。事情により、変更や微調整が必要になることを理解しましょう。

 

人員配置計画を作成したら、計画どおりに実施します。実施中には、アクシデントや事情により、計画どおりに進まないことも考えられます。その場合は、必要な手順から人員配置計画を見直しましょう。

 

最適な人員配置にするための5つのポイント

 

人員配置を実施するうえで、押さえておきたいポイントがあります。人員配置は、マネジメント手法のひとつであり、配置を変更するだけでは売上やスキルは向上しません。

 

従業員ごとの成績や配置後の効果を見える化することで、エンゲージメント向上につながります。人員配置計画の作成工数を削減するためには、ツールの導入が有効なことを念頭に置いておきましょう。

1.人員配置の変更だけでは売上が上がらないことを理解する

適切な人員配置をすれば、業務効率化やコスト削減といった効果があります。しかし、人員配置はあくまでもマネジメント手法のひとつです。適切な人員配置をするだけで、売上が上がるわけではありません。

 

配置の実施後に、どのような取り組みをするかが大切です。変更に対して時間をかけすぎると、取り組み開始が遅れることを理解しましょう。

2.頻繁に人員配置をしてもスキルが上がらないことを理解する

人材育成は、人員配置の目的のひとつです。成長できる環境に人材を配置することで、能力が向上します。しかし、頻繁に人員配置をした場合、逆効果になるケースがあります。

 

人員配置により違う部署へ異動した結果、これまでとは異なる業務を担当するケースがあるでしょう。異動した従業員が必要な能力や知識を持っていない場合、業務を覚えることから始めなければいけません。


人員配置を頻繁にした場合、その状況が繰り返されることになり、結果的に成長が阻害されるのです。人員配置をすれば、スキルが上がるわけではないことを理解しましょう。

3.従業員一人ひとりの成績が見えるようにする

人員配置を実施する場合、従業員ごとの成績を見える化することがポイントです。これは、効果測定とともに、従業員を評価するためでもあります。人員配置により目標を達成できたとしても、従業員の評価が適切でなければ、従業員の不満が溜まります。

 

従業員の不満が溜まればエンゲージメントが下がり、退職につながる可能性もあるでしょう。どれだけ人員配置が適切にできても、従業員がいなくなっては意味がありません。エンゲージメント向上のためにも、従業員の成績の見える化が必要です。

4.人員配置変更の効果測定を実施する

人員配置を実施したら、効果測定を忘れてはいけません。人員配置前後の環境や成果を効果測定することで、実施内容が適切かどうかを判断できます。以下の項目を効果測定するとよいでしょう。

  • 売上高
  • 利益率
  • 工数
  • エンゲージメント

できるだけ数値化することで簡単に効果測定できます。エンゲージメントを測る際は、アンケートが有効です。上記以外の項目でも、必要な項目があれば効果測定するとよいでしょう。

 

5.ツールを導入する

ツールの導入により、効率的に人員配置計画を作成できます。人員管理や人材管理ができるツールを導入すれば、どの従業員がどのような業務を担当しているのかがわかります。

 

工数や勤怠状況の管理もできるため、現状把握やギャップ分析、人員配置のシミュレーションといった作業の効率化が可能です。人員配置計画の作成にかかる工数を抑制することを考えると、ツールを導入する意味があるといえるでしょう。

 

 

まとめ

人員配置とは、従業員の能力や適性に合わせて配属先や職務を決めるマネジメント手法のひとつです。人数や相性も考慮することで、業務効率化を図るだけでなく、従業員のパフォーマンス向上も期待できます。

 

人員配置の目的は、コストを抑えたうえで組織の目標を達成すること、また人材育成や従業員の事情に配慮した職場環境を提供することです。

 

最適な人員配置を実施するためには、基本的な手順に沿って計画を立てることが欠かせません。目標を明確にしたうえで、現状と目標とのギャップを分析し、計画を作成しましょう。

 

ただし、人員配置はあくまでもマネジメント手法のひとつであり、人員配置をするだけでは、売上やスキルは向上しないことを理解する必要があります。従業員ごとの成績や効果を見える化しておけば、エンゲージメント向上につながります。

 

人員配置計画の作成工数削減には、ツールの導入が有効です。目的やポイントを理解し、適切な人員配置を実施しましょう。

 

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