チームをまとめる立場の管理職や経営者には、ビジネスを成功へと導くためのマネジメント能力が求められます。しかし、具体的にどのようなスキルを身につけるべきか分からない方も少なくありません。そこで今回は、マネジメント能力に必要なスキルや能力の高め方を解説します。
マネジメント能力とは、目的や目標を達成するために経営資源を管理するスキルのことです。事業やチーム全体をまとめる経営者や管理職に欠かせない能力で、目的や目標を達成するために何が必要なのか見極める力が求められます。
近年はグローバル化や働き方の多様化により、経営者や管理職は社会変化に応じた判断が求められるようになりました。多様な人材が働きやすい職場環境をつくり、目的や目標を達成できるマネジメント能力が必要不可欠になっています。
マネジメント能力と同じく、経営者や管理職に求められるスキルとしてリーダーシップがあります。リーダーシップとは、部下やチームのメンバーに進むべき方向性を示して導いていく能力のことです。リーダーシップを発揮するには、特定の目的や目標が実現できるようにチーム全体をまとめて正しい方向に導く能力が求められます。
一方、マネジメントは社員やチームのメンバー一人ひとりを細かく把握しなければいけません。そして、目的や目標を達成するために誰にいつ何をさせるのが最適なのか、現実的かつ具体的な戦術を練ることが求められます。マネジメント能力は、方向性を重視するリーダーシップと求められるスキルが異なるため、混同しないように注意しましょう。
マネジメントとリーダーシップの違いについて詳しく知りたい方は、こちらをご確認ください。
マネジメントとリーダーシップの違いは?必要なスキルと磨き方を解説
マネジメント能力で必要な7つのスキル |
管理職や経営者に必要不可欠なマネジメント能力で求められるスキルには、次のようなものがあります。
それぞれの特徴を確認していきましょう。
マネジメントの主な業務を詳しく知りたい方は、こちらをご確認ください。
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管理職や経営者には、部下を統括して指導する能力が求められます。いわゆるリーダーシップのことで、マネジメントにおいて必要な能力です。優秀な社員がいたとしても個人で出せる能力には限りがあるため、部下を指導・統括しながらチーム全体が目的や目標を達成できるように環境をつくらなければいけません。
管理職や経営者が明確に意思を示し、進むべき方向性を提示することによって部下は業務に励めます。また、予期せぬトラブルが起こったとき、上司が的確かつ迅速に指示を出せれば、部下は安心してトラブルに対応できます。管理職や経営者の存在が社員にとって安心材料になるため、自分の仕事に自信を持って取り組めるでしょう。
営業のマネジメントに必要なスキルについて詳しく知りたい方は、こちらをご確認ください。
営業チームのマネジメントとは?役割と業務内容、必要なスキルを解説
目的や目標を達成するために、管理職や経営者には部下一人ひとりの能力を最大限に引き出すコーチングスキルが必要です。コーチングすることにより、部下の自発的な行動を促してより良い結果を出せます。
部下の能力を引き出すには普段から対話を重ねることが必要なため、コミュニケーションスキルも身につけなければいけません。コーチングは、安心して何でも話し合えるという信頼関係の上に成り立つものです。コミュニケーションを重ねて相手の心を開き、自発的に考え、行動できるように部下を育てることが求められます。
物事を論理的に分析し、正しい方法で解決する能力も必要です。管理職や経営者が正しい指示を出せなければチーム全体が機能しなくなるため、目的や目標を達成することはできません。
正しい方法を提示するにはロジカルシンキングを身につける必要があります。ロジカルシンキングとは、直感的に物事を捉えるのではなく、筋道を立てて論理的に結論を出す思考方法です。ロジカルシンキングはビジネスパーソンであれば身につけておくべきスキルといわれていますが、マネジメントでは必要不可欠の能力です。
管理職や経営者には、会議を円滑に進めるためのファシリテーションスキルが必要です。ファシリテーションスキルとは単に会議を進める能力のことではありません。参加者の意見を引き出しながら重要なポイントを拾い上げつつ、議論を広げて会議で有効な結論を引き出せるように導く能力のことです。
管理職や経営者が一方的に指示を出す会議では、部下が主体的に動いてくれることはありません。理想的な会議は、参加者一人ひとりの知恵を引き出してチーム全体で問題解決できる環境をつくり出すことです。なかには、自分から意見や発言できない部下もいるため、会議で発言しやすくなるように働きかけることも必要です。
部下の能力は一人ひとり異なります。管理職や経営者は部下の適性や長所を把握し、どのような場所で最大限のパフォーマンスを出せるのか見極めるアセスメントスキルが必要です。
アセスメントスキルが欠けると、チーム全体のバランスが悪くなるため仕事の生産性が落ちることもあります。日頃から部下の行動や仕事の成果を観察して、特性や傾向を掴みましょう。また、面談や雑談、新入社員研修などを通して部下の適性や長所を探すのも有効です。
新入社員研修について詳しく知りたい方は、こちらをご確認ください。
管理職や経営者には、業務を正確かつ迅速に遂行するうえで必要な専門知識や技術の習得が求められます。これはテクニカルスキルと呼ばれる能力で、専門知識や技術を身につけることにより、部下の良いお手本になれる効果があります。
また、ビジネスで突発的なトラブルが起こったとき、管理職や経営者が対応しなければいけないこともあるでしょう。このような場合は、正しい判断が求められます。管理職や経営者はプレイヤーとして働くわけではありませんが、マネジメント力を高めるためにテクニカルスキルを身につけることが大切です。
管理職や経営者には、部下がパフォーマンスを最大限発揮できるように管理する能力が必要です。マネジメントコントロールと呼ばれるもので、チーム内の意思疎通のズレを回避したりチーム全体のモチベーションを向上させたりする効果があります。
近年はグローバル化や働き方の多様化により、部下一人ひとりの管理が難しくなっているのが現状です。このような社会変化のなかで社員の孤立を防ぎ、適切な管理体制を整えられるようにマネジメントコントロールの徹底が求められています。
マネジメントコントロールについて詳しく知りたい方は、こちらをご確認ください。
マネジメント能力を高める3つの方法 |
管理職や経営者がマネジメント能力を高めるには、次のような方法があります。
マネジメント能力はいきなり身につくものではありません。マネジメント能力を高めるには、日々の実践を通して経験を積むことが大切です。
ここで紹介する方法を参考にして実践してみましょう。
管理職や経営者は、自分の考えをできる限り部下やメンバーに伝えましょう。自身の考えを伝えることにより、社員同士で共通認識が生まれて一体感のあるチームを構築できます。また部下に仕事の指示を出すときは、単なる業務として伝わらないように工夫することも大切です。
例えば、指示と併せて業務の目的や管理職や経営者の考えを伝えましょう。業務の目的を伝えることで、部下は問題を意識した状態で業務に取り組めます。また考えを伝えることによって、「自分は上司から頼られている存在だ」という認識が部下に生まれるため、社員自身の問題として仕事に向き合えます。
管理職や経営者には、コミュニケーションスキルが必要です。一方的に指示や考えを伝えるのではなく、部下の話や意見に耳を傾けることを意識しましょう。相手のペースに合わせて話を聞く傾聴の姿勢は、部下との強い信頼関係を築くきっかけになるため、マネジメント能力を高められます。
どのように部下の話や意見を聞けばいいか分からない場合は、ページングを意識しましょう。ページングとは、会話相手と声のトーンやテンポ、呼吸のリズムなどを合わせる技法のことです。相手の波長に合わせることで親近感や安心感を与えられます。
社会人生活で努力して成果を出してきた管理職や経営者は、「とにかく努力することが大事」といった考えを持つ方も少なくありません。なかには、部下に努力させることがマネジメントと認識している方もいるでしょう。
しかし、マネジメント能力は部下に努力を強いることではありません。仕事に対してモチベーションが低い部下がいたとしても決して根性論に走らないようにしましょう。
マネジメント能力の向上に役立つ資格3選 |
マネジメント能力を向上させる方法として、資格を取得するのもおすすめです。マネジメント能力の向上に役立つ資格には、次のようなものがあります。
資格概要はもちろんのこと、どのようなマネジメント能力を身につけられるのかについても紹介するため、自分に適した資格を選んでみてはいかがでしょうか。
ビジネスマネジャー検定は、マネジメントに必要な総合的な知識を効率的に身につけられる資格です。マネジャーとして活躍が期待されるビジネスパーソンに対して、その土台づくりをサポートしてくれます。
受験資格に学歴や年齢、国籍による制限はなく、インターネット環境が整っている自宅での受験が可能です。試験では、マネジャーの役割と心構えや人と組織のマネジメント、業務のマネジメントなどの基礎知識に加え、それを応用する力が問われます。
経営学検定試験は、経営管理能力や問題解決能力が一定水準に達していることを全国レベルで認定する資格検定です。経営学検定試験では、経営に関する一定水準の学習とインセンティブを提供することを目的としています。
初級・中級・上級で構成されており、受験者のレベルに合わせて受験できるのも経営学検定試験の特徴です。管理者や経営者が取得したい経営学検定試験は、中級と上級です。学歴や年齢、国籍による受験資格の制限はなく、誰でも受験できます。
PMP資格は、PMIが認定しているプロジェクトマネジメントに関する国際資格です。受験者のプロジェクトマネジメントに関する経験や知識を測り、プロフェッショナルとしての指標を図ることを目的としています。
米国PMI本部により資格認定が行われますが、英語と日本語で試験が実施されます。国際資格として世界中で認知されており、取得することでスキルアップやキャリアアップ、人的なネットワークの拡大の効果が期待できる資格です。PMP資格は、受験後すぐに結果が分かります。
プロジェクトマネジメントの資格の難易度を知りたい方は、こちらをご確認ください。
プロジェクトマネジメントに関する資格一覧!メリットや難易度も解説
プロジェクトマネジメントを成功させる鍵を知りたい方は、こちらをご確認ください。
h2:まとめ |
管理職や経営者は、目的や目標を達成するためにマネジメント能力が欠かせません。またマネジメントには、部下を統括・指導する能力や部下の力を最大限に引き出す能力、物事を分析して解決する能力など、さまざまなスキルが必要になります。
ただし、マネジメントに必要な能力はいきなり身につくものではありません。管理職や経営者がマネジメント能力を高めるには、日々の実践を通して知識や経験を積むことが大切です。高いマネジメント能力を身につけたいなら、日頃から意識して実践しましょう。
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