PMBOKとは、プロジェクトマネジメントのノウハウや手法に関する情報をまとめた書籍のことです。プロジェクトのゴールに向かってプロセスをコントロールする知識が得られるため、成果を得やすくなるでしょう。この記事では、PMBOKの基本情報や目的、メリットなどを解説します。
目次
PMBOKとは、プロジェクトマネジメントの情報を収めた書籍のことです。PMBOKを参考にすると、プロジェクトマネジメントのフレームワークがわかります。
またPMBOKは、世界各国に広まっており、世界基準として利用されているのも特徴の一つです。まずは、PMBOKに関する基本情報を詳しくチェックしましょう。
PMBOK(ピンボック)とは、Project Management Body Of Knowledgeの略で、プロジェクトマネジメントに関する情報を収めた書籍のことです。
プロジェクトマネジメントとは、プロジェクトが成功するように適切に管理することを指します。つまり、プロジェクト管理を進めていくうえで、大切になる手法や知識について掲載しているのがPMBOKということです。
現在ではPMBOKが世界標準の知識として広まっており、4年に1度改訂されています。ちなみに最新版である第7版は、2021年に発行されました。
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PMIとは、Project Management Instituteの略で、PMBOKを制作した組織のことです。アメリカに本部があり、日本には1998年に支部が設立されています。
PMBOKは世界中に広まっていることから、さまざまな言語に翻訳されており、その監修も行っています。ほかにもPMBOKの普及活動や資格の認定などを担っている組織です。
PMPとは、Project Management Professionalの略で、プロジェクトマネジメントに関する国際資格のことです。PMPはPMBOKを基準に実施されており、プロジェクトマネジメントに関するスキルが一定基準に達している場合に資格を取得できます。
PMPではプロジェクトマネジメントに関する知識だけではなく、業務への取り組み方や経験といった実務も重視されています。また、一定期間ごとにプログラムの履行が義務付けられており、資格を取得したら終わりということにはなりません。
プログラムの履行内容は、3年ごとにPDUという単位を60ポイント以上獲得することです。ポイントは教育プログラムを受講したり、講演活動を行ったりすることで貯まります。
プログラムをクリアしなければ、認定資格が抹消されるため、資格取得後も学び続ける必要があるでしょう。なお、PMPの認定を実施しているのは、先述したPMIです。
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PMBOKの目的はQCDの達成 |
PMBOKの目的は、QCDを達成することです。QCDとは、Quality(品質)、Cost(費用)、Delivery(納期)の3つの略で、プロジェクトを成功させるために重要なゴールとされています。
従来のプロジェクトマネジメントでは、QCDの管理のみを行っていました。しかしゴールだけを重視していると、うまくプロジェクトが遂行できず、満足のいく結果を得られなかったのです。
そこからゴールを達成するためには、たどり着くまでのプロセスも重要であり、きちんと管理しなければいけない、といった考え方が重視されるようになりました。そこで作成されたのがPMBOKです。フレームワークを活用することで、QCDを達成できます。
PMBOKの新しいフレームワーク |
2021年に発行された第7版より、新しいフレームワークとして「価値提供システム」「8のパフォーマンス領域」「12のプロジェクト提供原則」が登場しました。
第6版までは、A4判で750ページにもわたって解説されていましたが、第7版では250ページに縮小されています。また第6版までは「10の知識エリア」「5つのプロセス」「3つのパート」に知識管理体系が分類されていましたが、第7版では消失しているのも特徴です。
ここでは、PMBOKの新しいフレームワークについて解説します。
価値提供システムとは、「プロジェクトを遂行しながら臨機応変に価値のある成果物を作る」という考え方のことです。
まずプロジェクトに関する戦略を立てて、価値を生み出すポートフォリオを作成します。その後、プロジェクトを実行して得られた成果を分析し、適宜ポートフォリオを変更する仕組みです。
またプロジェクトが正常に達成されて得られた結果を分析し、新たな戦略を練り直すのも重要とされています。
第6版までは「プロジェクト管理」と表現されていましたが、第7版ではプロジェクトの成果や成果物を提供するという意味で、「プロジェクトの提供」と表現されているのもポイントです。
第6版まではプロセスを重視していたものの、第7版からは実際に価値をもたらす成果を重視するようになったのです。しかしプロセスを否定するわけではなく、従来どおりプロセスが有効であれば利用します。
8のパフォーマンス領域は、以下のとおりです。
・チーム
・利害関係者
・計画
・ライフサイクル
・不確実性
・提供
・実績
・プロジェクト作業
第6版までは「10の知識エリア」に分類されていたものが、「8のパフォーマンス領域」に変更されました。つまり第7版では知識から行動へと、アプローチの姿勢が変化したと考えられます。
12のプロジェクト提供原則は、以下のとおりです。
・責任者のポリシー
・チーム
・利害関係者との連携
・価値
・全体的な思考
・リーダーシップ
・調整と適合
・品質
・複雑性
・機会と脅威
・適応性と回復力
・変革の推進
第6版までは「5つのプロセス」として、立ち上げ・計画・実行・監視と管理・終結を重視していました。第7版では、この概念が消えて、原理・原則の重視へと変化しています。
PMBOKを活用する2つのメリット |
PMBOKの活用によって得られるメリットは、「世界で通用するノウハウを学べること」「経験の浅いプロジェクトマネージャーでも成果を得やすいこと」の2つです。
PMBOKは世界各国に広がっており、世界基準のノウハウとして利用されています。そのため、経験の浅いプロジェクトマネージャーが業務を遂行しても、成果を得やすくなっているのです。ここでは、PMBOKを活用するメリットを解説します。
PMBOKを活用すれば、世界で通用するプロジェクトマネジメントのノウハウを学べます。例えば、大規模なプロジェクトに参加するときや、社外の関係者を含めてプロジェクトを遂行するときなど、PMBOKを理解していればプロジェクトチームのレベルを判断しやすいでしょう。
またPMBOKを理解していることで、世界基準のプロジェクトマネジメントがわかるため、あらゆるプロジェクトに通用します。プロジェクトの内容や規模などに応じて、必要な部分を参考にするといいでしょう。
PMBOKを活用すれば、経験の浅いプロジェクトマネージャーでも成果を得やすいことがメリットです。プロジェクトを遂行していく際に、フレームワークがあると一定の成果を出しやすくなるのです。
例えば、プロジェクトの全体をPMBOKに当てはめれば、業務の流れを掴みやすくなります。非常事態が発生しない限り、スムーズにプロジェクトを進められるでしょう。
そのためプロジェクトマネージャーの育成には、PMBOKを活用するのがおすすめです。プロジェクトマネジメントの基礎を学びながら、プロジェクトを成功へと導けます。
PMBOKを活用する際の注意点3つ |
PMBOKを活用する際は、以下の3つに注意しましょう。
・参考書として活用する
・コミュニケーション能力を身に付ける
・プロジェクトマネージャーのスキルを磨く
PMBOKによってプロジェクトマネジメントの基本的なノウハウを学べますが、具体的な方法や応用の仕方などは記載されていません。そのため、プロジェクトマネージャーがスキルを身に付けて、臨機応変な対応を行う必要があるのです。
また実際の現場では、多くの人と関わりながら業務を遂行していくため、ノウハウだけではなくコミュニケーション能力も必要といえるでしょう。ここでは、PMBOKを活用する際の注意点を解説します。
PMBOKは、あくまで参考書として活用しましょう。理由は以下の3つです。
・規模の大きなプロジェクトを想定したノウハウが書かれている
・業務を遂行していくなかで必要となる、具体的な方法は記載されていない
・1つのプロジェクトを管理する際には適しているものの、複数のプロジェクトを並行して管理する場合は不向きとされる
PMBOKにはプロジェクトマネジメントのノウハウがまとめられていますが、プロジェクト管理の具体的な方法や、イレギュラーが発生した場合の対処法などは記載されていません。
例えばトラブルが発生した場合に、「このときは〇〇を行う」といった具体的な解決策は書かれていないのです。
ほかにも複数のプロジェクトを管理するのは不向きだったり、小規模のプロジェクト管理には対応していなかったりと、すべてのプロジェクトに当てはまらないのも特徴です。
そのためPMBOKを活用する際はノウハウ本として参考する程度に留め、プロジェクトの遂行に合わせて適切に対応することが大切です。
PMBOKを活用する際は、コミュニケーション能力を身に付けることも意識しましょう。PMBOKに書かれているのは、マネジメントに関する基本的なノウハウです。
実際にプロジェクトを遂行する人やチームメンバーには、どのようなスキルが必要なのかといった情報についてはあまり書かれていないのです。
しかしプロジェクトを遂行するときは、プロジェクトマネージャーやプロジェクトのメンバーなど、多くの人と関わります。他部門の人やクライアントと関わることもあるでしょう。
そのときコミュニケーション能力がなければ、適切な指示や説明ができません。例えば、指示どおりに動いてくれない人や経験豊富でスキルもある人、口数が少なく何を考えているのかわからない人など、さまざまな人が集まっているでしょう。
その中でどのような人間関係を築き、プロジェクトを遂行していくかは、コミュニケーション能力が大きく関係しています。そのためPMBOKでノウハウを身に付けるだけではなく、コミュニケーション能力も磨いていくことが重要です。
プロジェクトリスクマネジメントについての詳しい内容は、以下をご覧ください。
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PMBOKに依存しすぎるのではなく、プロジェクトマネージャーのスキルを磨くことも大切です。PMBOKを活用すれば、プロジェクトマネジメントに関するノウハウは得られます。
しかしPMBOKでは対応しきれないトラブルが発生した場合は、プロジェクトマネージャーが状況を把握して対処しなければいけません。特に近年のビジネス環境は、変化や競争などが激しく、従来のマネジメント方法ではうまくいかないケースもあります。
PMBOKに依存しすぎてしまうと、プロジェクトマネージャーの経験やスキルが身に付きにくくなるほか、リーダーシップを発揮しづらくなるためモチベーションの低下につながる可能性もあります。
そのため、ある程度経験を積んだプロジェクトマネージャーは、状況に応じて適切な判断ができるように、さまざまなスキルを磨いておくことが大切です。
プロジェクトスコープマネジメントについての詳しい内容は、以下をご覧ください。
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PMBOKとともに『monday.com』を活用するのがおすすめ |
プロジェクトを管理する場合は、PMBOKとともに管理ツールを活用しましょう。管理ツールとは名前のとおり、プロジェクトをより円滑に管理するためのツールのことです。
管理ツールを利用すれば必要なデータを保存できたり、メンバー間で情報の共有ができたりと、よりスムーズに業務を遂行できます。管理ツールの中でも『monday.com』を活用すれば、以下のようなメリットがあります。
・社員のスケジュールを把握できる
・コミュニケーションコストを削減できる
・カスタマイズ性が高い
PMBOKで得たノウハウを活用しつつ、monday.comで管理すれば、プロジェクトを成功へと導きやすくなるでしょう。ここでは、monday.comをおすすめするポイントを解説します。
monday.comを利用すると、社員のスケジュールを把握できます。社員が抱えている仕事やスケジュールを事前に把握していれば、トラブルが生じたときに仕事を割り振れるか判断しやすくなるでしょう。
また一部の社員にスケジュールが偏っている場合は、ほかの社員に仕事を割り振ることも可能です。ほかにも検索機能を使用すれば、社員の数ヵ月後のスケジュールまで確認できるため、次のプロジェクトを立ち上げる際に役立ちます。
事前に社員のスケジュールを把握しておくことで、よりスムーズに業務を進められます。
monday.comを活用すればリアルタイムの情報を得られるため、コミュニケーションコストを削減できます。例えばプロジェクトの進捗状況を確認する際に、何度も電話やメールをする必要がなくなります。通知機能を利用すれば、タスクの漏れも防ぎやすくなるでしょう。
プロジェクトの進捗状況だけではなく、チームごとの進捗状況も把握できるため、コミュニケーションコストを削減しながら的確な指示を出しやすくなります。
またカレンダーやエクセル、ビデオ通話アプリといったあらゆるテクノロジーと、ワンクリックで連携できます。テクノロジーを連携すればワークフローを自動化できたり、社内外問わずスムーズなやり取りを行えたりと、円滑に業務を進められるでしょう。
使い慣れたツールを使用し続けたまま、各業務のプロセスを改善できるのも魅力といえます。
monday.comは36の機能を搭載しており、自由にカスタマイズできるのが特徴です。例えば、タスクの進捗状況に応じてラベル付けを行えば、視覚的にもわかりやすくなります。
ほかにもタスクの漏れを防ぐためにチェックボックスを付けたり、ツール上で投票を行えたりと、プロジェクトに応じてカスタマイズできるでしょう。
「プロジェクト概要」や「部門を超えたプロジェクトの追跡」といったプロジェクト管理のテンプレートを活用すれば、一から表を作成する手間も省けます。
また自動化できる部分はmonday.comに任せられるのも魅力です。定期的に発生するタスクを自動化したり、通知を設定したりすれば、無駄な手作業を省けます。
自動化システムを活用してカスタマイズすることで、プロジェクトに応じた必要な業務のみに注力することが可能です。
まとめ |
PMBOKとは世界各国に広まっている、プロジェクトマネジメントに関する基本のノウハウをまとめたものです。世界に通用する知識を習得できるため、フレームワークを参考にすると、経験の浅いプロジェクトマネージャーでも成果を得やすいでしょう。
またプロジェクトを管理する際は、PMBOKとともに管理ツールを利用するのがおすすめです。管理ツールを使用すればコミュニケーションコストを削減できたり、社員のスケジュールを把握できたりとプロジェクト管理を行いやすくなります。
PMBOKで知識を得ながら、管理ツールを利用して円滑に業務を遂行しましょう。
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