プロジェクト全体の進行管理をおこなう人をプロジェクトマネージャと呼びます。今回は、このプロジェクトマネージャが担う仕事の内容、必要となるスキルなどを紹介し、将来キャリアアップする方法も解説しましょう。目指している方は、ぜひとも参考にしてください。
目次
プロジェクトマネージャとは?年収もチェック |
プロジェクトマネージャとは、プロジェクト全体を管理するマネジメント職です。プロジェクトマネージャの仕事はプロジェクトを成功に導くことであり、その分責任の重い仕事だといえます。
プロジェクトマネージャと似た言葉が使われている役割は、以下のとおりです。
・プロジェクトリーダー
・プロダクトマネージャ
はじめに、プロジェクトマネージャの仕事や年収、似た表現の役割との違いについてチェックしていきましょう。
なお、そもそもプロジェクトとはどのようなものなのか、またプロジェクト名の決め方について詳しく知りたい方は以下をご覧ください。
プロジェクトとは目標達成のための業務│定義や成功のポイントを解説
プロジェクト名の決め方が成否を左右する?命名の基準や方法を解説
プロジェクトマネージャの仕事は、プロジェクト全体のマネジメントをおこなって成功へと導いていくものであり、その責任は非常に重いものです。プログラムマネージャは、IT業界などにおいてPM(ピーエム)とも呼ばれています。
幅広い役割をこなす必要があるため、さまざまなスキルを有して業務に精通していることが求められる役職です。経営陣やスポンサー、クライアントなどの関係者に対して進捗状況や課題を報告し、協力してもらうように働きかけるのもプロジェクトマネージャの仕事のうちです。
プロジェクトマネージャがプロジェクトを立ち上げる際、目的やゴールを確認するためにプロジェクト憲章を作成します。このプロジェクト憲章について詳しく知りたい方は、以下の記事で確認してください。
プロジェクト憲章とはプロジェクトの企画書のこと。必要性や記載事項を解説
プロジェクトマネージャの平均年収は、約601万円だといわれています。日本の平均的な年収よりも多く、高収入がのぞめる職種であるといえるでしょう。
高年収の人の場合、1,000万円以上もらえている人もいます。同じプロジェクトマネージャであっても年収の差が大きいため、本人のキャリアや持っているスキルによってはさらなる高年収が期待できる職種です。
プロジェクトリーダーとの違いについては、以下のとおりです。
<プロジェクトマネージャ>
・プロジェクト全体の管理を任されている。
・クライアントへの説明もおこなう。
<プロジェクトリーダー>
・一般的に、プロジェクトチームの責任者にあたる。
・下流工程に対するリーダー格
・社内での管理、実施の責任者とするケースもある。
・(大規模プロジェクトの場合)プロジェクトマネージャの配下であり、補佐する。
・(小規模プロジェクトの場合)プロジェクト全体の責任者になるケースもある。
プロジェクトリーダーが担当する業務は、組織によって違いがあります。プロジェクトの体制についてさらに詳しく知りたい方は、以下を参考にしてください。
プロダクトマネージャとの違いは、以下のとおりです。
<プロダクトマネージャ>
・製品(プロダクト)の全体管理を任されている。
・市場の分析や顧客の分析、競合の分析をおこなう。
・製品のマーケティング戦略を立案する。
・製品の開発や販売促進を統括し、管理する。
プロジェクトマネージャはプロジェクト自体の成功に対して責任を負いますが、プロダクトマネージャは製品自体の将来性に対する責任を負うという違いがあります。
ちなみに、プロダクトマネージャもPMと略すことがあるため注意しましょう。
プロジェクトマネージャの仕事内容 |
プロジェクトマネージャの仕事内容は、以下のとおりです。
・プロジェクト全体の計画を立てて準備する
・進行の管理やトラブルへの対応をおこなう
・課題を報告書で伝える
プロジェクトマネージャはクライアントへの提案をおこなったり、トラブルへの対応をおこなったり、システムエンジニアの監督をおこなったりと、さまざまな仕事をします。そのため、幅広いスキルを持った人物が求められます。
それぞれの仕事内容について、詳しくチェックしていきましょう。
プロジェクトマネージャの1つ目の仕事内容は、プロジェクト全体の計画を立てて準備することです。プロジェクトが始まる前からプロジェクトマネージャは動いています。計画に関するプロジェクトマネージャの仕事は、以下のとおりです。
・クライアントや経営者などと一緒に案を練り上げ、プロジェクト全体の計画を策定する。
・予算やスケジュールを管理する。
・チームに必要なメンバーを選出し、人材の調達をおこなう。
・リソースを調整し、足りない分は調達する。
・システム開発について、主に要求の分析や要件定義をおこなう。
2つ目の仕事内容は、進行の管理やトラブルへの対応をおこなうことです。進行の管理やトラブルへの対応に関するプロジェクトマネージャの仕事は、以下のようなものが挙げられます。
・プロジェクト全体の進行を管理する。
・チームをマネジメントする。
・トラブルがあった際や予兆を発見した際に問題を解決し、改善策を検討して実行する。
プロジェクトマネージャの仕事内容の3つ目は、課題を報告書で伝えることです。この対応に関するプロジェクトマネージャの仕事には、以下の3つが挙げられます。
・トラブルの解決に向けて、他部署との連携を相談する。
・クライアントとの交渉をおこなう。
・プロジェクトに対する顧客の反応を含めてプロジェクト完了報告書に書く。
プロジェクトマネージャに重要な3つのスキル |
プロジェクトマネージャに重要な3つのスキルは、以下のとおりです。
・交渉力を含めたコミュニケーションスキル
・的確にマネジメントができるスキル
・問題を分析して解決できるスキル
プロジェクトマネージャの仕事は多岐にわたるため、オールラウンダー的な活躍ができるようなスキルのある人が求められます。プロジェクトマネージャに重要なスキルをそれぞれチェックしていきましょう。
プロジェクトマネージャに重要な1つ目のスキルは、交渉力を含めたコミュニケーションスキルです。プロジェクトマネージャは良好なコミュニケーションを図りながらプロジェクトチームをまとめていきます。そのほかにもユーザーなどのニーズを把握し、クライアントや経営陣との交渉をおこなうなど、プロジェクトをスムーズに進行していくためのコミュニケーションスキルが重要です。
2つ目に重要なスキルは、的確にマネジメントができるスキルです。役職名のとおり、マネジメントに関する仕事が大きな割合を占めています。マネジメントスキルには、以下の種類があります。
<アセスメントスキル>
評価や査定をおこなうスキル。能力を知り、メンバーの能力を引き出す方法を察知する。
<アカウンタビリティスキル>
説明責任に関するスキル。変更時やトラブルが起こった際などに経緯や状況を説明し、責任の所在を明確にする。
<コーチングスキル>
指導に関するスキル。的確に指示を出したり、フォローアップをおこなって一人ひとりの成長を促したりする。
プロジェクトマネージャに重要な3つ目のスキルは、問題を分析して解決できるスキルです。プロジェクト全体に対する責任を負う役職であるため、問題を解決して最大限の成果を出す必要があります。問題が起きる前からリスク対策をおこない、なにかあった際には適切な対応や調整をおこなうスキルが必要です。
なお、プロジェクトの振り返り作業も重要です。プロジェクトの振り返りに関する詳細は、以下の記事をご覧ください。
プロジェクトの振り返りを効果的におこなう手法!目的や注意点を解説
プロジェクトマネージャになるには? |
・システムエンジニアからキャリアアップが一般的
・ITスペシャリストなどからのキャリアパスも
・スキルの証明ができる資格を取る
・プロジェクトで経験を積む
それぞれ詳しくチェックしていきましょう。
プロジェクトマネージャになるための流れは、システムエンジニアからのキャリアアップが一般的です。さまざまな経験が必要であることもあり、プログラマーからシステムエンジニアになり、その後プロジェクトリーダーになってからプロジェクトマネージャにキャリアアップしていくという流れをとります。20代の人が選ばれるケースもあるものの、30代以降の経験豊富な人がプロジェクトマネージャになるケースが多いです。
プロジェクトマネージャになるための流れには、ITスペシャリストなどからのキャリアパスもあります。近年ではプロジェクトマネージャになるための流れが多様化していく傾向にあります。ITスペシャリストやITアーキテクト、ITコンサルタントなどからプロジェクトマネージャへキャリアチェンジするケースなどがその例です。
プロジェクトマネージャとは、高い能力が必要な役職です。プロジェクトマネージャになりたい方は、スキルの証明ができる資格を取ることから始めてみましょう。
関連する資格には、プロジェクトマネージャ試験などがあります。合格率は平均で13%ほどしかなく、難易度が高い試験です。プロジェクトマネージャを目指すのであれば受験をおすすめします。
プロジェクトマネージャになりたい方は、プロジェクトの一員としてどんどん経験を積むのもおすすめです。実際にプロジェクトの現場で経験を積み、さまざまな対応ができるスキルを身に付けます。
また、プロジェクトマネジメントに関する書籍を読んで知識を備えていくことも可能です。基本的な考え方を書籍で学びつつ、実際のプロジェクトで実務経験を積んでいきましょう。
まとめ |
プロジェクトマネージャになるためにはシステムエンジニアからのキャリアアップが一般的ですが、ITスペシャリストなどからのキャリアパスも増加傾向です。プロジェクトマネージャを目指す人は、資格を取ったり、書籍で学びつつ経験を積んでいったりしましょう。
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