プロジェクト管理は、チケット発行により効率的に行えます。チケットはエンジニアの開発の確認作業で頻出する用語で、タスクに作業内容や期日、担当者などの詳細を記したものです。プロジェクト管理を行う際のチケット活用の仕方とメリットデメリットを解説します。
目次
プロジェクト管理におけるチケットの概要 |
プロジェクト管理におけるチケットは、一般的にイメージされる乗り物の乗車券、コンサートやイベントなどの入場券とは違います。プロジェクトの各担当者にタスクを割り当てることを「チケット発行」、チケットでタスクを管理することを「チケット管理」と呼ぶのが一般的です。
プロジェクト管理におけるチケットの定義とその役割を説明しましょう。
プロジェクト管理におけるチケットとは、実施しなければいけないタスクに作業の内容や担当者名、期日などを記したものです。プロジェクト管理におけるチケットとは、作業指示書のようなものをイメージするといいでしょう。
プログラム開発の現場においてエンジニアによって頻繁に用いられている手法ですが、エンジニアのみならず、プロジェクト管理全般でも使用されています。
プロジェクト管理におけるチケットの役割は、プロジェクト全体の進捗状況、および個別のタスクの進捗状況をわかりやすく管理することです。タスクの内容に変更があった場合には、変更内容をチケットに反映することで迅速な共有を可能とします。
チケット管理することにより、タスクを項目別に分類してわかりやすく整理できるため、プロジェクト管理の中でも重要な役割を担っているといえるでしょう。
プロジェクト管理についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
プロジェクト管理を基本から解説!目的と実施方法と管理ツール選び
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プロジェクト管理で使えるGoogle Workspaceを解説
プロジェクト管理でチケットを使う3つのメリット |
エンジニアが開発現場でチケットを使っているのは、いくつかの合理的な理由があるためです。それらの理由は、プロジェクト管理におけるメリットとしても当てはまります。プロジェクト管理でチケットを使う主なメリットは以下の3つです。
それぞれのメリットについて解説します。
プロジェクト管理でチケットを使うメリットとして特に大きいのは、作業の進捗状況を可視化できることです。プロジェクト内のすべてのタスクがチケット化されることにより、業務漏れやミスがあった場合でもメンバー間ですみやかに共有して対応できます。
また、チケットの消化状況を見ることでタスクの残量を確認できるため、プロジェクトの進み具合を把握しやすくなるでしょう。
過去のログを参照できることにより、行き違いを防げます。タスク変更時の反映ログにチケットIDを入れることにより、いつ誰がどんなタイミングでどのようにタスクを変更したかを共有できるためです。
連携不足によるトラブルを回避する効果が期待できます。プロジェクトに参加するメンバーの数が多くなるほど、そしてさまざまな立場の人が参加するほどに、チケット管理のメリットを実感できるでしょう。
チケットを発行することによって、プロジェクト内での役割分担が明確になり、役割に応じて作業を細かく分割できるため、チームでの業務を効率化できます。
またチケット管理することによって、プロジェクト管理の振り返りや分析がしやすくなり、改善ポイントが見えやすくなるため、今後のプロジェクトの効率化にも活用できるでしょう。
プロジェクト管理でチケットで使う3つのデメリット |
プロジェクト管理でチケットを使うメリットは大きいですが、デメリットがないわけではありません。主なデメリットとして考えられるのは以下の3つです。
しかし、デメリットがあると認識することによって対策を講じられるでしょう。それぞれのデメリットの詳細と対策方法を説明します。
チケット管理をする際には、タスクの詳細や期日、担当者名などを入力する必要があります。入力する項目を増やしすぎると、入力作業に時間がかかってしまうデメリットが生じる可能性が出てくるでしょう。
入力する項目を必要なものだけに絞る、ツールを使って入力作業の効率化を図るなど、チケットを運用しやすい環境を整えることが重要です。
プロジェクト管理でチケットを使うことによって作業が細かく分割されるため、それぞれのタスクの関連性や優先順位が把握しづらくなることがあります。
メンバー各自が取り組みやすいタスクを先に進行してしまったために、完了したタスクがうまく噛み合わず、スケジュールが遅延してしまったというケースも考えられるでしょう。このデメリットを回避するためには、優先順位がわかるルール作りが不可欠です。
プロジェクトマネージャーがプロジェクトの全体像の把握を心がけることによって防げるでしょう。
チケットを使ってタスクを細分化することによって、プロジェクトの全体像が見えにくくなることもデメリットです。チケット化することによって、メンバーが目の前のタスク処理に集中した結果、俯瞰する視点が欠如してしまう可能性がでてきます。
チケットを発行する時点である程度の柔軟性を持たせ、メンバーが主体性や創造性を発揮する余地を残すことで、全体を見る視野を育むことが期待できるでしょう。
プロジェクト管理でチケットを使うことによるデメリットをなくすためには、明確な運用ルールを定めることが有効です。
プロジェクト管理の運用ルールについてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
プロジェクト管理で運用ルールを決めるプロセスやメリット、ポイント
プロジェクト管理でチケットを活用する2つのポイント |
プロジェクト管理でチケットを活用するためには、気をつけなければならないポイントがあります。主なものは以下の2つです。
この2つのポイントの説明に加え、プロジェクト管理ツールの効果的な活用例として、メルカリでの『monday.com』の導入事例についても解説します。
チケットを使う場合には、チーム内のコミュニケーションの円滑化を図る必要があります。チケットを発行する側とチケットを処理する側とでコミュニケーションが取れていないと、無駄なチケットの発行や不要な作業の発生などを生じる場合があるためです。
チケットを使うことによって、コミュニケーションが不要になるわけではありません。チケットを効果的に活用するためには、プロジェクト内での意志の疎通も重要なポイントなのです。
チケットを使う場合には、チケット管理機能を備えたプロジェクト管理ツールを活用するのがおすすめです。チケットとプロジェクト管理ツールは親和性が高い特徴があります。
プロジェクト管理ツールについてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
プロジェクト管理に活用できるSlackとは?メリットやデメリット
メルカリではエンジニアとPMの2チームが「monday.com」を導入して活用しています。チケットの項目の追加や削除が自由に行えること、タスク反映のスピードが早いことなど、monday.comを使用するメリットを実感しているとのことです。
メルカリによるmonday.com導入事例についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
メルカリが「アジャイル開発におけるタスク管理」に選んだツールmonday.com
なお、monday.comはプロジェクトマネジメントツールでアワードを受賞しています。
詳細はこちらの記事を参考にしてください。
まとめ |
チケットを発行することで、プロジェクト管理を効率的に行えます。タスクの進捗状況を可視化できる、タスクの変更の過去ログを参照できるなど、さまざまなメリットがあるためです。
その一方で、プロジェクトの全体像が見えにくくなる、タスクの優先順位や関係性が把握しづらくなるなどのデメリットを生じる可能性もあります。しかし、自由度の高いチケット管理機能を備えたプロジェクト管理ツールを効果的に使うことで、デメリットの発生を防げるでしょう。
メルカリのエンジニアチームがmonday.comを導入してチケット機能を見事に使いこなしている事例は、チケットの活用方法のヒントを与えてくれます。世界10万社以上で選ばれているmonday.comは、自由度の高いチケット管理機能を備えており、業界や職種を問わず、最適なプロジェクト管理を可能にするツールですにします。まずは無料トライアルからお試しください。