プロジェクトの効果を最大限に高めるには、適切にリソース管理をおこなう必要があります。しかし、どのようにリソース管理を実施すればいいのかが分からない方もいるでしょう。そこで今回は、リソース管理の概要や手順、実施ポイントを解説します。
目次
プロジェクトに必要なリソース管理とは |
リソース管理とは、企業が持つ経営資源の利用を最適化するための取り組みのことです。経営資源とは人材や資金、物資など、プロジェクトを完遂するために必要なすべての要素を指します。また経済資源には目に見えるものだけではなく、情報や時間、知的財産などの無形資産が含まれているのも特徴です。
プロジェクトで期待する成果が出ないとき、自社の経営資源を有効活用できていないことも多いでしょう。しかし良質な経営資源をどれだけ確保し、有効的に活用できるかで企業の競争力が決まります。経営資源を適切な方法で管理できれば、企業の成長につなげられるのです。
リソース管理する際の4つのポイント |
プロジェクトを進行するうえで、リソース管理は必要不可欠な要素です。しかし、単に経営資源を管理すれば良いというわけではありません。場合によっては期待した効果が得られないこともあるため、ポイントをおさえて導入することが大切です。
リソース管理のポイントには、次のようなものがあります。
それぞれのポイントを確認していきましょう。
企業資源を管理するのは社員であるため、経営資源のなかで重要視されているのが人的資源です。しかし、それぞれの社員は能力やスキル、経験値が異なるため、業務への向き不向きがあります。特性を把握せずに業務を割り振ると、生産性や業務効率の低下といったさまざまな問題が起こるでしょう。
プロジェクトを円滑に進めるためには、社員一人ひとりの特性をしっかりと把握し、人的リソースの効果を最大化させることが大切です。メンバーの人選にも役立てられるため、多様な能力やスキルを持つチームを作れます。
情報は、見える化してチーム間で共有しましょう。個々の業務を可視化できれば、誰がいつまでに何をするべきか、プロジェクトの全体像を把握できます。この結果、メンバー間の連携や協力体制が整うため、良好なチームワークを構築できるのです。
プロジェクトをより円滑に進められるようになるため、業務の効率化を実現できます。また達成すべき目標やゴールも共有できれば、チーム全員で共通認識を持ってチーム力も高められるでしょう。
複数のプロジェクトを同時に進行する企業もあるでしょう。しかし企業の経営資源は有限であるため、順番にリソースを配分すると重要なプロジェクトで資源が足りないといった問題が起こります。
限られた経営資源を有効的に活用するためには、プロジェクトに優先順位をつけてリソースを割り当てるのがおすすめです。優先順位をつけるときは、利益水準、プロジェクトの規模感や完遂までの期間、などを考慮して判断するのがいいでしょう。常にプロジェクトを遂行する企業であれば、判断基準を明確にしておくとスムーズに判断できます。
リソースを管理する方法はさまざまですが、アナログでおこなうと手間や時間がかかります。より効率的に経営資源を管理したいのならば、ITツールの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
ITツールをうまく活用すれば、経営資源で重要視される人的資源の管理も容易です。能力やスキルを含む個々の特性も一元管理でき、人材配置や業務配分にも役立てられます。またプロジェクト管理できるツールを導入すれば、個々の業務を可視化できるため、メンバーの連携や協力体制を高められます。
なお、monday.comならプロジェクトを計画通り遂行するためのタスクやチャット、スケジュール、プロジェクトなどを一元管理でき効率的ににサポートします。
リソース管理の主な種類 |
経営資源は、目に見える資源と目に見えない資源とに分かれます。それぞれの内容や必要とされる理由を正しく理解することで、プロジェクトの成果にも良い影響をもたらしてくれるのです。リソース管理では、これらの経営資源を有効的に活用できるように管理していく必要があります。リソース管理の主な種類と内容、必要とされる理由を確認しましょう。
目に見える経済資源でおさえておきたいのは、経営資金・人的資源・有形物です。
【経営資金】
企業経営において欠かせないのが資金管理です。人材を確保したり新設備を導入したりするときは、資金を投じる必要があります。経営資金をしっかり管理することで今後の経営方針の選択肢が広がり、会社の成長にも好影響をもたらしてくれるのです。経営資金の管理対象は、現金に加えて債権や株式、返済義務がある負債なども金融資金に含まれます。
【人的資源】
経営資源の中でも重要度が高いのが人的資源です。人材を確保しないと、企業はプロジェクトを遂行できません。特に近年は少子高齢化で労働人口が減少しているため、人的資源が重要視されています。この人的資源の対象には自社の社員だけではなく、協力関係にある取引先やビジネスパートナー、業務の委託先などが含まれるため注意しましょう。
【有形物】
企業が保有する有形物も経営資源です。たとえばパソコンや備品、建物など、プロジェクトを遂行するうえで必要なものはすべて管理対象になります。有形物に余裕があれば、業務で必要なときにすぐに使えるため、生産性や効率を上げられます。しかし有形物の導入には初期費用やランニングコストがかかるため、費用対効果を見極めなければなりません。
目に見えない経済資源でおさえておきたいのは、知的財産・時間・情報です。
【知的財産】
機密情報やノウハウ、顧客ネットワークといった、自社だけが保有するものが知的財産です。企業の競争力の源となる経営資源であるため、しっかりとリソース管理する必要があります。プロジェクトの活用だけではなく、開発力向上や営業力の強化など、あらゆる場面で利益を生み出せる重要な資源です。
【時間】
目に見えない経営資源に時間が挙げられます。各社員の業務時間は決められているため、限られた時間を有効活用して効果を最大化することが必要です。経営資源としての時間には、会議や人材育成に使われる時間、作業する時間、製品の開発からサービスをリリースする時間などが含まれます。
【情報】
企業が保有するすべての情報が経営資源です。たとえば顧客情報や消費者の市場動向、売上データ、開発技術などが含まれます。情報のリソース管理では、外部への情報漏洩を防ぐためのセキュリティ管理も徹底しなければいけません。
リソース管理で得られる5つの効果 |
経営資金や人的資源、知的財産などのリソースを管理することにより、企業は多くの効果を得られます。リソース管理で得られる効果は、次のとおりです。
それぞれの効果について見ていきましょう。
リソース管理をおこなうとチームやメンバーが請け負える業務量を把握できるため、各社員の能力に応じて適切な業務配分ができるようになります。適切な業務配分をおこなえていないと、誰か一人の社員に業務配分が偏って負担を大きくすることも多いです。
近年は人材不足を抱える企業も多く、複数のプロジェクトに参画する社員も少なくありません。一人の社員に過度な業務負担がかかることを避けられれば、生産性が低下するなどの問題を回避できます。
残業削減の取り組みを実施する場合、単に残業時間の抑制だけを進めるのは良くありません。業務の属人化や非効率的な仕事の進め方といった根本的な問題が解決されないため、サービス残業が増えて余計に業務負担が増えることもあります。
また、仕事を自宅に持ち帰ることになれば、情報漏洩やコンプライアンス違反に陥る事例もあるため、十分に注意しなければいけません。残業時間の抑制だけに注力せず、残業理由を明確にしたうえで業務の見直しなども積極的におこないましょう。
近年は少子高齢化で労働人口が減少しているため、人材不足の課題を抱える企業も多いです。また採用活動においても求職者が有利な売り手市場であるため、優秀な人材の確保も難しくなっています。しかし、リソース管理で人的資源を徹底管理すれば、限られた人材でも臨機応変に対応できるようになるため、効果を最大化できるのです。
リソース管理することで、業務のトラブルを回避できる効果を得られます。経営資源を把握しないままプロジェクトを遂行すると、「特定スキルがある人員を手配できない」「必要なリソースを使えない」などといった問題が起こるリスクがあるのです。場合によってはスケジュールが遅れ、取引先や顧客に迷惑がかかることもあります。このようなリスクを避けられるのは、リソース管理するうえでのメリットでしょう。
リソース管理により、業務の生産性を上げる効果を得られます。人材が少ない企業では、効率的に業務を進められる社員に業務が集中しがちです。しかし業務量に偏りがあると一人の社員に大きな負荷がかかるため、生産性が落ちることがあります。
チームでプロジェクトを遂行している場合、一人の業務遅延がほかのメンバーの業務に悪影響を及ぼすことも少なくありません。リソース管理を徹底すれば業務の平準化を維持できるため、高い生産性を維持できるのです。
リソース管理をおこなう際の5つの手順 |
リソース管理することで、企業はさまざまな効果を得られます。しかし、どのようにリソース管理を実施すればいいかが分からない方もいるでしょう。リソース管理をおこなう際の手順は、次のとおりです。
それぞれの手順を見ていきましょう。
リソース管理をおこなううえで、まず実施すべきことが自社資源の整理です。前述のとおり経営資源には、目に見える資源と目に見えない資源があります。ここで特に重点的に整理すべきなのは、目に見える資源である人的資源です。人的資源以外の豊富な経営資源があっても、人材がいなければプロジェクトは遂行できません。リソース管理をおこなうときは、企業が保有する人的資源から整理していきましょう。
経営資源の整理が終わったならば、次はプロジェクトの現状とゴールを明確にしましょう。現状とゴールを明確にすることで、現時点における経営資源の余裕度がどれくらいなのかを理解できるのです。またプロジェクトを遂行するなかで、今後起こり得るリスクも見えてきます。これらを考慮したうえでゴールまでの道のりを設定し、どのようなリソースがいつ、どれだけ必要かを整理しましょう。
ゴールまでの道のりを設定し、どのようなリソースがいつ、どれだけ必要なのかを整理できたならば、過不足や課題がないかを確認しましょう。今すぐに対処できるかどうかは別問題として、過不足や課題を把握して現状をしっかり分析することが大切です。分析が不十分な場合は、過不足や課題に対する対処法の精度が甘くなることもあるため注意しましょう。
過不足や課題をしっかり分析したならば、それらを改善できる対処法を考えましょう。たとえば、過密なスケジュールに問題があった場合は、計画の立て方を改善する必要があります。業務プロセスに問題があるのならば、ITツールを導入して再発防止を図るのもおすすめです。過不足や課題によって対処法も変わるため、効果のある対策を検討しましょう。
対策を講じていくなかで、新たに過不足が発生したり、別の課題に直面したりすることもあるでしょう。このような場合は、過不足や課題のプロセス改善を図るのがおすすめです。プロセス改善をおこない、少しずつブラッシュアップすることで、より良いリソース管理が実現できます。リソース管理にはさまざまな方法があるため、自社に適した方法を模索してみましょう。
まとめ |
プロジェクトの効果を最大限に高めるには、適切にリソース管理をおこなうことが必要です。リソース管理の種類は、経営資源や人的資源、有形物の目に見える資源と知的財産や時間、情報など目に見えない資源に大きく分かれます。これらの経営資源を効率的に管理するには、ITツールを導入してメンバーの情報や特性を一元管理したり、個々の業務を可視化したりするのがおすすめです。
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