仕事の見える化をすることで業務の属人化が回避でき、業務効率化につながります。業務の属人化回避は、業務効率化だけでなく従業員エンゲージメント向上にもつながるでしょう。本記事では仕事の見える化の効果や進め方について解説していきます。
目次
仕事の見える化による3つの効果 |
仕事を見える化することで、業務内容や業務フローといった業務の状況を把握できます。仕事の見える化によって属人化を回避することは、担当者が不在でも滞りなく業務を進められるだけではなく、異動や退職に対するリスク管理にもつながるでしょう。
仕事の見える化で明らかになった業務フローを見直せば、社員間でのフロー統一とともに品質も向上します。また、公正な人事評価や周囲との協力体制構築もできるため、従業員エンゲージメントの向上も期待できます。
ここでは、仕事の見える化による効果について解説します。
1.属人化の回避
仕事の見える化による効果として挙げられるのは、属人化の回避です。属人化が進んだ場合、担当者がいなければ業務が滞るといった緊急時の業務効率低下だけではなく、担当者が異動や退職した場合、業務に対応できなくなる可能性もあります。
仕事の見える化を行うと担当者以外の社員も業務内容を把握できるため、担当者が不在でも滞りなく業務を進められるのです。担当者の異動や退職に対するリスク管理にもなるでしょう。
属人化の回避は、業務量の分散にもつながります。属人化が進んでいた場合、特定の担当者しかその業務を進められないため、業務量を調整できません。負担が多くなれば、納期遅延や品質低下のリスクもあります。
属人化を回避できれば業務を分散できるため、負担が特定の従業員に偏ることがありません。業務の質も上がるため、納期遅延の回避だけではなく、サービスの質向上にもつながるでしょう。
2.業務フローの見直しによる改善
業務フローの見直しによる改善ができることも、仕事の見える化による効果です。仕事が見える化されることで、これまでの業務フローの問題点が見えてきます。従業員ごとにやり方が異なる問題も明らかになるでしょう。
業務フローを見直すことで、業務のやり方を改善するとともに従業員間でのフロー統一にもつながります。ミスやトラブル発生時の原因究明やそのフォローもスムーズにできるため、品質も向上するでしょう。
3.従業員エンゲージメント向上
従業員エンゲージメントの向上も仕事の見える化による効果のひとつです。仕事を見える化することで、従業員ごとの業務内容やスキルを把握できます。それによって公正な人事評価ができるため、会社に対する信頼感が上がるでしょう。
仕事の見える化は、不公平感の解消にもつながります。仕事を見える化できていない場合、周りの仕事量がわかりません。どんなに平等に業務を分散していたとしても、「なぜ自分だけが大変なのか」といった思い込みによる不満が生まれる可能性があります。
周りの仕事量が見え、業務量に差がないことがわかれば、思い込みによる不満はなくなるでしょう。周りの状況が見えることで、協力できる環境も構築できます。会社への信頼感向上や周囲との関係性向上は、従業員エンゲージメント向上につながるでしょう。
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仕事の見える化をしなかった場合のリスク2つ |
仕事の見える化をしなかった場合、2つのリスクがあります。リスクを把握することで、仕事の見える化に対する必要性を実感できるでしょう。
仕事の見える化をしなかった場合、違和感に気付かず問題に対処できなくなるといったリスクが生じます。業務自体を把握できないため、問題が発生したことになかなか気付けないのです。
また業務の状況を把握できないため、周囲との業務量の差がわからずに不満が溜まっていくケースもあるでしょう。ここでは、仕事の見える化をしなかった場合のリスクについて解説します。
仕事の見える化をしなかった場合のリスクとして、違和感に気付かず問題に対処できなくなることが挙げられます。問題が発生していてもすぐに気付かず、問題が大きくなって初めて重大さに気付くといったことが考えられるでしょう。
これは、仕事の見える化ができていないことが原因です。仕事の見える化ができていない場合、業務の内容や状況を把握できません。業務自体を把握できていないため、問題に気付こうとしても無理があります。
仕事の見える化を進めて業務の内容や状況を把握すると、問題が発生したときの違和感にも早期に気付いて対応できるでしょう。
従業員の不満がたまることも、仕事の見える化をしなかった場合のリスクです。仕事の見える化ができていない場合、周囲の業務状況がわからないため、業務量が平等に振り分けられているのかどうかがわかりません。
そのため残業が続いたり、忙しい日々が続いたりすると、「自分だけが忙しい」といった不満が生まれます。その不満がたまれば、退職を決意するまで発展してしまう可能性も考えられるでしょう。仕事の見える化によって周囲の業務状況がわかると、自分の業務量との比較ができて不満軽減にもつながります。
仕事の見える化で得られる4つの情報 |
仕事の見える化には、属人化の回避や業務効率化といった効果があることは前述したとおりです。そのような効果を出すため、見える化すべき情報を把握しておかなければなりません。
業務フローを見える化すれば、業務の知識やノウハウを共有でき、品質の担保や教育工数の削減につながります。業務状況やタスクを見える化すれば、従業員の負担軽減や課題発見にもつながるでしょう。
勤怠状況を見える化すれば、工数や人件費の削減といった効果を得られます。会社方針の見える化は、生産性向上に大きく影響するでしょう。ここでは、見える化すべき情報について解説します。
業務フローの見える化により、業務の知識やノウハウを共有できます。業務フローをマニュアルによって見える化すれば、自己流の作業がなくなり、担当者によって業務の質が変わることがありません。
特にルーティンワークであれば、その効果は大きくなるでしょう。ルーティンワークではない業務でも、注意点や必要な要素を言語化しておけば品質を担保できるはずです。
また、知識やノウハウをマニュアルに落とし込むことで、教育にも使用できます。教え方も統一されるため、教育工数の削減にも効果があるでしょう。
業務状況やタスクを見える化すれば、従業員やチームのスケジュールやタスクを社内で共有できます。誰がどんな状況になっているのかといった業務の進捗状況を把握できるため、状況に合わせて業務を分散することが可能です。業務の分散は、従業員の負担軽減にもつながるでしょう。
また、業務状況の見える化により、生産性の変動も把握できます。生産性の変動を把握できれば、従業員やチームの成長が客観的に見えるようになるため、課題発見にもつながるでしょう。
勤怠状況を見える化すれば、労働時間の把握にもつながります。長時間労働が問題視されている昨今では、従業員の労働時間をしっかりと調整しなければなりません。しかし、進捗状況によっては特定の従業員に負担がかかり、労働時間が増加しているケースがあるでしょう。
労働時間を把握することで、全員が適切な労働時間になるように業務を振り分けられます。労働時間の増加から違和感を覚え、無駄な業務を発見できるかもしれません。結果として、工数や人件費の削減にもつながるでしょう。
会社方針を見える化すれば、方向性の統一にもつながります。生産性の向上を図る際には、会社と従業員とで方向性を統一することが必須です。しかし、経営陣やマネージャーでは当たり前と思える会社方針の浸透は、従業員にとっては当たり前ではありません。
会社方針を把握していないケースや理解していないケースは十分に考えられます。会社方針を見える化し、会社方針に沿った目標を設定することで、会社と従業員の方向性統一が可能です。結果として、生産性向上につながるでしょう。
仕事を見える化する4つの流れとポイント |
仕事の見える化を進めるには、ポイントをおさえることが大切です。仕事を見える化する目標を明確にすることで、自社やチームが抱える問題を解決できます。業務フローやスキルを把握することで、効果的なマニュアルを作成できるはずです。
アプリやツールを導入すれば、情報をリアルタイムで把握できます。また、問題発生時は対策実行までやりきる必要があることを理解しましょう。ここでは、仕事を見える化するポイントについて解説します。
仕事の見える化には、目標を明確にすることが大切です。「何を改善したいのか」「何が問題なのか」を理解しなければ、何を見える化すればいいのかがわかりません。目的を明確にしない状態で見える化を進め、結果的に見える化することが目的になってしまうケースもあるでしょう。
目標を明確にすることで、自社やチームが抱える問題を解決できます。そのためにも、目標を明確にし、目標に対してどんな見える化が必要なのかを考えましょう。
業務フローやスキルを把握することも、仕事の見える化のポイントです。仕事の見える化にはマニュアル作成が大切ではあるものの、業務フローやスキルを正確に把握しないままマニュアルを作った場合、その効果は薄まります。
業務の内容だけではなく、必要な工数やスキルを把握し、フローチャートやスキルマップを作成することも必要です。また、マニュアルは常に更新し続けるものであるため、編集しやすいような作り方や保管方法を考えましょう。
アプリやツールを導入することもポイントです。業務状況やタスク管理、労働時間といった情報の管理にアプリやツールを利用すれば、リアルタイムでこれらの情報を把握できます。生産性を見える化することもできるでしょう。
リアルタイムで見える化することにより、ミスやトラブルにもすぐに気付けるはずです。ただし、使いにくいツールを導入しても効果がありません。使いやすく、目的や用途に合ったツールを選定しましょう。
問題発生時は、対策の実行までやりきることもポイントです。仕事の見える化は、生産性向上や適切な管理などを目的とした手段であり、問題点を見つけることが見える化の目的ではありません。
問題点に気付き、その問題を解決することではじめて見える化する意味が出てきます。問題発生時の対応までをルール化しておくことも必要です。
仕事の見える化でよくある2つの失敗 |
仕事の見える化でよくある失敗として、周知不足による方向性のずれと目的の手段化が挙げられます。目的や効果の周知不足により、見える化に非協力的な従業員が出てくるケースがあるでしょう。
見える化自体が手段になってしまうケースは、典型的な失敗例といえるものです。ここでは、仕事の見える化でよくある失敗について解説します。
目的や効果の周知不足により、方向性がずれてしまうケースがあります。見える化による効果が共有できていない場合、見える化することに非協力的な従業員が出てくるケースがあるのです。
その場合には正確なデータが取れないため、適切な対策を講じるのは難しいでしょう。そうならないためにも、見える化する目的や効果を従業員が理解するまで伝える必要があります。
目的の手段化も見える化でよくある失敗のひとつです。よくある例としてツールを導入した場合、ツールを使うことが目的になってしまうケースがあります。見える化を進めることで問題点が明らかになっていくため、それだけで効果があるような気がしてくるのでしょう。
見える化の目的は問題点を洗い出すことだけではなく、生産性向上や適切な管理をおこなうことにあるはずです。なんのためにやるのかを理解したうえで見える化を進めましょう。
まとめ |
仕事の見える化によって属人化を回避することは、担当者が不在でも滞りなく業務を進められるだけではなく、異動や退職に対するリスク管理にもつながります。業務フローを見直せば、社員間でのフロー統一とともに品質も向上するでしょう。公正な人事評価や周囲との協力体制構築もできるため、従業員エンゲージメントの向上も期待できます。
仕事の見える化をしなかった場合、違和感に気付かず問題に対処できなくなることがあるかもしれません。周囲との業務量の差がわからず、不満が溜まっていくケースも考えられるでしょう。
業務フローを見える化することで、業務の知識やノウハウが共有でき、品質担保や教育工数の削減につながります。業務状況やタスク、勤怠状況を見える化すれば、従業員の負担軽減や課題発見、人件費削減にもつながるでしょう。
仕事の見える化でよくある失敗として、周知不足による方向性のずれと目的の手段化が挙げられます。特に会社方針の見える化は、生産性向上に大きく影響するものです。目標や効果を明確にすることで自社やチームが抱える問題を理解でき、見える化を実行する意味も見えてきます。
目的や効果を理解したうえで仕事の見える化を実行し、生産性向上につなげましょう。
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